パントマイム
昔、女性4人旅、欧州の旅先で、目的地へ行く為に通りかかった路上で、ピエロメイクでピエロの衣装を着てパントマイムをしている人を見ましてね
今でも、はっきり覚えているんですよね。そこには、ちょっとした人だかりができていて、ちょっと覗いてみると、ピエロが居るんですね。
当時、20歳だった私は、間近でピエロを観た事がなく、一体この方は何者だろう?と思うと興味が湧いて来て、人の輪の最前列に行きました。
そして、そのピエロを身近に観ますとね、彫りの深い顔に厚塗りで白塗りのピエロメイクが印象的で、ピエロの衣装は転ぶパフォーマンスもあるせいか、所々汚れていて、この方はアマチュアでプロを目指している人なんだろうか?と更に興味が湧きまして、
そのパントマイムは、まるでそこにガラスの壁が有るかのように、手探りで壁を触ったり伝ったり、進めない壁から必死に出ようとしたり、ぶつかって転んでみたり、目の前にいるピエロとギャラリーとの間に、まるでガラスで仕切られているかのようで、
その動きは、最初は優しさとユーモアで人を惹きつけ、そして、その動きに魅了されると、気品と哀愁が伝わってきて、更に、パントマイムに隠されていた深い哀しみを垣間見た気がして、私は釘付け状態になりましたね。
最後に、そのピエロは、ギャラリーの中から次々と人を指名して、腕を絡ませて一緒にスキップをしながら、右回り、左回りと繰り返し、ご機嫌のピエロのパントマイムは終りました。
更に、その後、ギャラリー達は、ピエロの足元に有る幾つかのカンにお金を入れていましたね、勿論、私もお金を入れて、
ずっとピエロの表情を見ていたら、とびっきりの笑顔でおどけてくれて、小躍りをしてくれるんですよね。
この方は、何処から来て何処に帰って行くのだろう?どんな生活をしているのだろう?って思いました。
でも、当時、20歳の私にでも解った事は、
何処か憂いが有るからこそ、心に残るものなんだと思いましたね。それは、優しく冷静で深くてあったかい。道化師。長い年月を経ても、その光景は鮮明に覚えています。
日頃から、パントマイムを観るわけでは無いのですが、遠い昔に観たのに、ずっと心に残るものが有って、もし、そこでの滞在期間が、もっと長かったら、きっと翌日も観に行っていたと思います。
憂いが有るから心に残る。皆様の憂いに触れるのもご鑑定です。
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